悩まずに泌尿器科で相談を 排尿トラブルに悩んでおられる女性のうち、 もっとも多い病気が「膀胱炎」です。
「予防と悪化を防ぐポイント」
①適切な排尿で細菌を体外へ
②身体の抵抗力を維持する
③自覚症状がある方は、泌尿器科へ早期受診
膀胱炎(単純性膀胱炎)は、尿 道を通って膀胱内に感染した細菌 によって引き起こされる病気です。
細菌によって膀胱内の粘膜に炎症が生じ、膀胱の収縮機能などが障害されます。
膀胱炎には、次のような症状が見られます。
・頻尿
・残尿感
・排尿時の痛み
・尿の混濁(血液が混ざることも ある)
・下腹部の痛み
膀胱炎は、女性の患者が多い病気です。
これは、女性のほうが男性より 尿道が短いことが原因となっています。
とくに20~40歳代の女性では、約20~35%が膀胱炎になると言われています。
一方、50歳以上の女性の場合、閉経後に女性ホルモンの分泌が低下することで膀胱炎を繰り返すケースがあります。
これは、女性ホルモンの低下によって細菌に対する腔内の抵抗力が弱まることが関係しています。
膀胱炎の予防には、尿道から膀胱内への細菌の侵入を防ぐことが大切です。
具体的には、水分を十分に摂ってしっかり排尿する、尿意を我慢しないといったことがあげられます。
これらは、尿によって細菌を 適切に排出するためです。
また、身体の抵抗力が弱っていると細菌の活動を抑えられなくなり、膀胱炎を発症しやすくなります。
睡眠不足、ストレス、疲労こうした自覚があるとぎは、膀胱炎の症状に注意を向けるようにしましよう。
膀胱炎の治療では、抗生物質による薬物療法に高い効果があります。
ただ、女性にとって膀胱炎はデリケートな病気でもあるので、泌尿器科への受診が遅れがちになるという傾向もあります。
膀胱炎が悪化すると細菌の感染が腎臓へ達し、急性腎孟腎炎を発症する恐れがあります。
急性腎孟腎炎は、悪化すると命に危険が及ぶ病気です。
膀胱炎の症状で悩まれている方で、発熱や背中、腰の痛みを感じている方は、早急に医療機関を受診してください。
ここまでは、膀胱炎の9割を占める単純性膀胱炎について見てきました。
膀胱炎にはほかに、原因がさまざまに考えられる「複雑性膀胱炎」 があります。
・複雑性膀胱炎の症状 単純性膀胱炎より比較的軽いが、症状が長く続くことや繰り返し起こる。
・複雑性膀胱炎の原因
①単純性膀胱炎が治りきらず慢性化する。
②細菌感染ではなく、基礎疾患やなんらかの病気によって膀胱炎が発症する。
三重県松阪市では救急車の利用に際して、「入院の必要がなかった軽症患者」の場合は、救急搬送の有料化が実施されることになりました。
この背景には、「救急車の適切な利用を促す」という意図があります。
救急車の出動回数は全国的に増加傾向にあり、2022年は 過去最高の723万件に上りました。
前年と比べると103万件増となっています。
これは、5秒に1回以上の割合で救急車が出動していることになります。
その一方で、救急搬送された人のうち軽症者の割合は45%程度となっています。
弊害はすでに現われていて、119番通報してから救急車が到着するまでの時間の平均が10分を超える事態となっています。
8分を超えると救命率が大きく下がる救急医療の現場においてとても深刻な問題です。
救急車の適切な利用は、救急搬送が必要な方の命を守るために、すべての人が心に留めておく必要があります。
救急車が必要なケースとしては、事故、大量の出血をともなう怪我、広範囲な火傷、突然の激しい頭痛、身体の激痛、意識障害、けいれんが止まらない、なにかを喉につまらせた、呼吸困難などがあげられています。
救急車を呼ぶべきか判断に迷ったときは、『救急安心センタ ー(#7119)』に電話して相談しましょう(#7119以外の番号で相談を受け付けている地域もあります)。
資料提供:メディカルライフ教育出版