狭心症の多くは、動脈硬化によって発症します。そして 突然死のリスクが非常に高い「心筋梗塞」の手前の状態 とされる病気です。
●心臓の動脈が狭くなる
心臓は筋肉でできています(心筋)。心筋は、冠動脈を流れる血液から酸素や栄養を受け取ることで活動します。しかし、動脈硬化によって冠動脈が狭くなると心筋への血液の流れが阻害され、締めつけられるような胸痛の発作や、不整脈・心房細動といった命にかかわる症状を引き起こす恐れがあります。これが、狭心症です。ちなみに、狭くなった冠動脈に血栓(血の塊)がつまると血液がまったく流れなくなり、心筋が壊死します。これは心筋梗塞と呼ばれ、致死的な疾患になります。
●発作の出方による分類
狭心症は、おもに3つのタイプに分けられています。
【労作性狭心症】
運動時や重いものを持ちあげたとき(労作)、心筋に必要な血液が供給されず発作を起こす。症状は数分から10分程度で治まるが、治まらないときは心筋梗塞を起こしている恐れが高い。
【不安定狭心症】
労作性狭心症より、さらに強い胸痛が起こる。発作の持続時間が長くなる。発作の頻度が増す。急性心筋梗塞により近づいている状態で、きわめて危険な状態。
【冠學縮性(かんれんしゅくせい)狭心症】
冠動脈が痙學し、一時的に心筋への血流が悪くなることで起こる。夜間や早朝、朝方などの安静時に発作が起こることが多い。
●狭心症の診断と対処
狭心症の診断には、どのような状況で発作が起きたか問診し、心電図や運動負荷心電図(運動によって負荷をかけて心電図の変化を見る)、ホルダー心電図(携帯型の心電計により日常の心電図を記録する)、超音波検査、冠動脈CT検査、カテーテル検査などが行なわれます。狭心症と診断されている方や、胸を圧迫するような痛みが10分以上続く発作が起きた場合は、すぐ に救急車を呼んでください。発作が数分で治まったときは、かかりつけ医に相談するか、循環器内科を受診しましょう。
●薬物療法と手術療法
狭心症の治療では、症状によって薬を使い分ける薬物療法が行なわれ、必要と判断された場合は、手術療法が行なわれます。
【代表的な薬の種類と目的】
○ニトログリセリン・・・発作が起きたときのために携帯する薬。
○ベーダ遮断薬・・心拍数を抑果心筋を守る薬。
○カルシウム措抗薬・・・硝酸薬血管を広げる薬。
○スタチン・・・動脈硬化を改善する薬。
狭心症の手術には、「カテーテル治療」と「バイパス手術」があります。どちらを選択するかは、血管が狭くなっている箇所の範囲や数、年齢、持病などを考慮して
選択されます。
○カテーテル治療・・・カテーテルという細い管を血管内に挿入し、狭くなった部分を内側から広げ、ステントと呼ばれる網目状の器具を植え込む手術。
○バイパス手術・・・身体のほかの箇所にある血管を使って、心臓の冠動脈にバイパス(迂回路)を作る手術。
帯状瘤疹は、加齢や過労、ストレスなどによって免疫力が低下することで、神経節(末梢神経にある神経細胞が集まった部分)に存在する水痘ウイルスが活性化することで発症します。活性化した水痘ウイルスは神経を障害し、皮膚へと広かっていきます。このため強い痛みと、皮膚症状が現われます。帯状庖疹は、50代から患者数が増加し、80歳までに3人にひとりがなるとされています。この病気の危険なところは、50歳以上で発症した人の約20% が、帯状庖疹後神経痛に移行する点です。帯状庖疹後神経痛による痛みは、数か月から年単位で続くこともあります。帯状庖疹ワクチンは、水痘ウイルスに対する免疫力を高め、ウイルスの活性化を防ぐためのワクチンです。4月から帯状庖疹ワクチンが、「65歳の人」と「60~64歳で免疫機能に障害がある人」を対象に、定期接種へと変わります。対象の方は、お住いの自治体の指定先に申請すると、公費による補助が受けられます。帯状瘤疹ワクチンには、生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があり、接種回数や有効性の持続期間、接種費用など、いくつかの違いがあります。どちらのワクチンを選ぶかは、医師によく相談したうえで決めることが大切になります。
資料提供:メディカルライフ教育出版