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下肢静脈瘤


膝の裏やふくらはぎにできた、膨らんだ血管を初めて見た方は、とても不安に感じると思います。どうしてこうなったのでしょうか?放置しておいていいのでしょうか?

下肢静脈瘤

●足の静脈が膨らんで浮き上がる

 足の静脈は、血液を心臓に送り返す役割をしています。静脈は単なる管ではなく、送り返した血液が逆流しないように一定の間隔で「弁」が備わっています。この弁が損傷を受けて働きが低下すると、そこに血液が溜まって血管に瘤のような膨らみができます。これが、下肢静脈瘤です。

●出産経験のある女性に多い

 下肢静脈瘤は、女性に多く見られ、男性の約2~3倍なりやすいと言われています。これには、女性ホルモンが静脈弁の働きを弱めることや、筋肉量の少なさが関係していると考えられています。とくに、出産経験のある女性の約半数が発症するというデータがあり、出産回数が多いほどリスクが高まります。発症リスクとしては出産のほかに、一日10時間以上の立ち仕事や長時間のデスクワーク、肥満、加齢といったことがあげられます。いずれにしても、ふくらはぎに過剰な負担をかけている方は、注意が必要です。

●放置しておいていいの?

 下肢静脈瘤は良性の病気で、命に関わることや、この病気だけで足が不自由になることはありません。ただ、静脈の弁は損傷されると元通りにはならず、下肢静脈瘤は少しずつ進行していきます。下肢静脈瘤が悪化すると、足のむくみや怠さ、ふくらはぎが頻繁につる、疼み、皮膚炎といった合併症が起こる恐れがあります。 これによって足の見た目も含めて、生活の質(QOL)の低下が心配されます。下肢静脈瘤による症状に悩んでいる方は、医療機関を受診して相談してください。

下肢静脈瘤

●下肢静脈瘤の4つのタイプ

 下肢静脈瘤には4つのタイプがあり、それぞれによって治療法が変わってきます。
・伏在静脈瘤 皮膚に近い、太い血管に瘤が複数できて、ボコボコしたように見える。
・側枝静脈瘤 太い血管から枝分かれしたやや細い血管に瘤ができる。
・網目状静脈瘤 直径2~3皿の細い血管が、網目のように複数浮き出て見える
・蜘蛛の巣状静脈瘤 I皿以下の 極めて細い血管が浮き出て、蜘蛛の巣のように見える。

●下肢静脈瘤の治療法は?

 下肢静脈瘤では、次のような治療法が代表的です。
・血管内治療 カテーテルを静脈に挿入し、レーザーやラジオ波で血管を焼く。
・硬化療法 静脈に硬化剤を注射で投与する。
・保存的治療 弾性ストッキングによって病気の進行を遅らせる。


生活ほっとニュース 生活ほっとニュース~PFAS~

 PFAS(ピーファス)は、人工的に作られた有機フッ素化合物の総称で、分類によっては1万種類以上あるとされています。PFASには水や油をはじくという性質があり、健康被害が疑われるまえは、消火剤や半導体液晶ディスプレイの製造から食品の包装紙まで、身近なところで幅広く使用されていました。現在、PFASのなかで人に危険とされているものは、生産や輸入が禁止されており、使用されていません。ただPFASは、「永遠の化学物質」とも呼ばれていて、自然環境のなかで分解されず長期間残留する性質があります。このため、かつて大量に用いられたPFASの一部が、年月とともに土壌から河川や地下水に入り込み、国の暫定目標値を超える地域もでてきました。 令和3年には、2つの地点の水道水から、国の値を大きく超えるPFASが検出されました。人体に取り込まれたPFASは、迅速な分解や排出が難しく、長ぐ体内にとどまるとされています。このため、がんや免疫力の低下、脂質異常症といった、さまざまな健康への影響が指摘されています。9月末には、全国の自治体や水道事業者から、PFASの検出状況が国に回答されます。引き続き、注視していきましよう。

社会的時差ボケ

資料提供:メディカルライフ教育出版