石川医院 ヘッダー画像

糖尿病と透析療法


~血液を濾過して、尿として排泄する腎臓。 糖尿病によって腎臓が障害されたとき、
その機能を人工的に補うのが 「透析療法」です。~

●糖尿病により血管が破壊される

三大合併症イラスト

  血液中に含まれるブドウ糖の数値は、「血糖値」によって表されます。
糖尿病は、血糖値をコントロールす、「インスリン」という膵臓から分泌される
ホルモンの分泌の働きの低下によって、血糖値が慢性的に基準値より高くなることで起こります。


糖尿病には、インスリンの分泌がほとんどなくなる「I型」と
環境的な要因(肥満、食べすぎ、運動不足など)によってインスリンの働きが弱くなる「II型」があり、
II型の患者数が多くなっています。


いずれにしても、糖尿病によって血糖値が高い状態が続くことは、
もっとも重大な問題となる「血管の破壊」へとつながります。

●糖尿病の合併症

  糖尿病の悪化による血管の破壊は、合併症引き起こすため、
「糖尿病の三大合併症」とも呼ばれています。

 代表的な症状としては、目の毛細血管の破損で起こる「糖尿病網膜症」。
手足の毛細血管の障害による「糖尿病性神経障害」。
さらに、腎臓の毛細血管(糸球体)が壊れる「糖尿病性腎症」は排尿障害を引き起こし、
命の危険につながる恐れがあります。

糖尿病と透析療法イラスト

●腎不全による心疾患

  腎臓の毛細血管(糸球体)は、血液を濾過し、身体の老廃物を排除するための機能です。
しかし、糖尿病によって腎臓の糸球体に慢性的な障害が起こると腎臓の機能が正常に働かなくなります。
そして、腎臓の働きが30%以下になると、腎不全になります。
腎不全の最終段階では、血液の濾過や老廃物の除去による体内の毒素が排泄が自力ではできなくなり、
やがて体液、電解質異常による死亡へ至ります。

●透析療法によって血液を濾過

  腎臓の糸球体は、自然治癒する方法がないため、腎臓の機能を治療で補う、「透析」が必要になります。
透析とは、血液から老廃物を取り除くことを言います。
透析には、「血液透析」と「腹膜透析」があります。
血液透析は、人工の腎臓フィルター(ダイアライザー)を、
人体の腎臓の糸球体の代わりに使って、血液を濾過します。
透析にかかる頻度は、週3日。一日4時間程度が標準となっています。
腹膜透析は、腹部の臓器を包む膜(腹膜)を使って血液を濾過します。
毎日、時間をかけて行なわれるため、身体への負担が少なくなります。

●透析療法における注意点

  血液透析においては、「シャント」と呼ばれる、動脈と静脈をつなぎ合わせた一本の太い血管が必要不可欠になります。
このシャントから大量の血液をダイアライザーに送って、血液を濾過します。
腹膜透析では、カテーテルを腹部に埋めて、腹膜内で透析液を出し入れします。
シャントやカテーテルは、命を守る生命線と言えます。清潔に保つだけでなく、細菌の感染対策にも十分に注意すること。
自分自身で触ったり、音を聞いて、状態を確認することが必要です。
透析を行なうために日常生活で大切な点としては、塩分を控えて、水分摂取量をコントロールする。
心臓に影響するカリウムの摂取に注意する。体重管理を行なうことなどがあげられています。

●透析療法をあきらめない

  透析療法には、長い時間がかかりますが、治療をあきらめないことが大切になります。
実際にたくさんの方が、透析療法を続けながらQOL(生活の質)の高い暮らしを送っています。


資料提供:メディカルライフ教育出版