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 副鼻腔炎

~かぜ・アレルギー・免疫力の低下が引金に~

 副鼻腔炎には、蓄膿症という別名があります。 その多くは比較的治リやすい病気ですが、なかには難病に指定されているものもあります。


●副鼻腔炎ーー4つのタイプ
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 鼻腔の周りには、左右それぞれに4個(計8個)の副鼻腔が存在します。 鼻腔と副鼻腔は細い管でつながっています。
このため、かぜのウイルスや細菌、花粉症をはじめとするアレルギー反応、免疫力の低下といったことが原因で鼻腔に炎症が起こると、副鼻腔にも炎症が及ぶことがあります。
炎症が悪化すると粘膜が腫れ、トロトロとした黄色の鼻水(膿性鼻汁)が出てきます。副鼻腔炎の代表的な症状です。
副鼻腔炎は、発症から4週間以内だと「急性副鼻腔炎」、3か月以上症状が続く場合は「慢性副鼻腔炎」と診断されます。
 さらに副鼻腔炎には、副鼻腔にカビが増殖して炎症を起こす「副鼻腔真菌症」や、難治性で重症化しやすい「好酸球性副鼻腔炎」といった病気もあります。

●急性副鼻腔炎

副鼻腔炎 画像 急性副鼻腔炎の症状には、膿性鼻汁のほかに、鼻づまりや鼻のなかに悪臭を感じる。鼻水が喉に落ちることによって、せきや痰がでる。嗅覚の低下といったことがあります。
副鼻腔炎はこれら鼻の症状のほかに、頬の圧迫や顔面痛、歯痛を引き起こすことがあります。
 急性副鼻腔炎はこまめに鼻水を出すことで、多くの場合、10日ほどで治ります。
 ただ、副鼻腔炎を悪化(慢性化)させないためにも、耳鼻咽喉科を受診するようにしましよう。

●慢性副鼻腔炎

 鼻腔と副鼻腔をつなぐ細い管が閉じてしまうと、副鼻腔から膿性鼻汁が排出されにくくなります。
 副鼻腔炎ではこまめに鼻水を出すことが大切ですが、それができなくなり、副鼻腔炎が長期間つづき、慢性化した状態になります。 慢性副鼻腔炎では急性期の症状がさらに悪化することや、まれではありますが、目に影響が及び、視力の低下や失明といったことが起こることがあります。

●副鼻腔真菌症

 副鼻腔真菌症は、副鼻腔のなかにカビ(真菌)が繁殖することで起こるタイプの副鼻腔炎です。
普通は免疫の働きにより、身体における真菌の繁殖は抑えられています。
しかし、加齢や糖尿病といった免疫力の低下をもたらすことが、この病気の発症リスクになります。
  鼻腔炎真菌症は、薬では治らないため、手術療法が治療の選択肢になります。

●好酸球性姓副鼻腔炎

 好酸球は、白血球の一種で、寄生虫を排除する役割があります。また、アレルギー反応が起こると、好酸球は増えるという性質があります。 好酸球が増えすぎると、炎症を引き起こす原因となります。
副鼻腔の粘膜が炎症を起こして垂れ下がったものーーー鼻ポリープができると、鼻づまりや匂いを感じづらくなります。
好酸球性副鼻腔炎の治療としては、ステロイドを使用した薬物療法や、鼻ポリープを除去するための手術療法が検討されます。 好酸球性副鼻腔炎は根治が難しい病気で、指定難病なっています。


生活ほっとニュース 生活ほっとニュース~認知症予防~

 東京都健康長寿医療センターの研究チームが、65~84歳の1万1194人を対象に行なった調査によると、「犬を飼っている人は、飼っていない人に比べ て認知症の発症リスクが4割低かった」という結果がでました。
この調査では、猫を飼っている人には認知症の発症リスクの低下が見られなかったことが併せて紹介され、話題になりました。  もちろんこれは、「認知症予防のためには、猫より犬を飼うほうがよい」ということを示唆しているのではありません。 研究チームの谷口優研究員はこの調査から、「犬の世話を通じて、日常的な運動習慣や社会参加の機会を維持することになり、その結果認知症の発症リスクの低下につなかっている」と分析しています。
認知症予防には、運動習慣と社会参加が鍵となっています。 運動習慣としては、一日30分の有酸素運動を、週に2~3回程度行なうことが推奨されています。30分というのは、10分の運動を3回に分けても大丈夫です。
社会参加では、地域の活動やボランティアがあります。ただ買い物や医療機関への通院、友人・知人と会うといったことも社会参加の例としてあげられています。気持ちを楽にして、ストレスがかからないように、無理なく行なうのかよいでしょう。

資料提供:メディカルライフ教育出版