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口臭予防


~四つの点から見た~ 

日本歯科医師会が10代~70代の男女1万人を灯象に行なった意識調査によると、男性76.2%・女性85.3 %の方が、口臭が気になった経験があると回答しています。
また、口臭を他人から指摘された経験があると 答えた方は、約4割に上りました。多くの人が悩んでいる口臭---その原因の約8割は、お口のなかにあります。

●口臭を生み出す細菌

 口臭はおもに、硫化水素とメチルメルカプタンという物質でできています。
ちなみに、硫化水素は腐った卵、メチルメルカプタンは腐った玉ねぎの臭いに例えられます。
こうした物質は、お口のなかに生息している細菌が、「食べ滓(かす)」や「口腔内の組織、血液」を分解するときに発生します。
お口のなかの細菌は、すべてが悪いものではありません。
大切なことは、むし歯菌や歯周病菌といった悪玉菌を増やさないことです。
四つの点から、予防法を見ていきましょう。

●むし歯

むし歯イラスト歯磨きイラスト

むし歯菌(ミュータンス菌)は、お口のなかに残った食べ滓を餌としています。

そして餌を食べながら、歯を溶かすほど強力な酸を生成します。
むし歯菌に溶かされた歯には、食べ滓が溜まりやすくなります。
餌が増えたむし歯菌はさらに増殖し、歯の表面を溶かすだけでなく、歯の内側にある神経にも感染を広げ、組織を破壊していきます。

 【口臭予防のポイント】 正しい歯磨き習慣を身につけ、食べ滓をしっかり取り除きましょう。
むし歯菌が神経に広がり、組織を破壊するまえに治療することが大切です。

歯周病イラスト歯医者イラスト

●歯周病

 歯周病菌は、歯垢(プラーク)や歯石(プラークが固まったもの)に生息しています。
そして、歯と歯ぐきの間に溝(歯周ポケット)を作り、酵素を出して溝を深くしながら増殖していきます。
その過程で、歯肉や歯を支える骨(歯槽骨)を破壊していきます。

【口臭予防のポイント】
歯周病による口臭には、メチルメルカプタンが多く含まれているという特徴があります。
口臭に気づく、あるいは指摘されたら、早目に歯科医院を受診してください。
また、歯石は歯磨きだけでは取れません。
定期的に歯科医院で取り除くぐようにしましよう。

●ドライマウス

ドライマウスイラスト呼吸法イラスト

 ドライマウスは、「口腔乾燥症」とも言われ、唾液の分泌量が減ることで起こります。

 唾液には殺菌作用があります。
しかしドライマウスになると唾液による殺菌作用が低下し、口腔内のむし歯菌や歯周病菌が増殖して口臭の原因になります。
お口のなかが粘つくような感じがある方は、ドライマウスの疑いがあります。 

【口臭予防のポイント】
口呼吸を減らし、意識して鼻呼吸をするようにしましよう。
また唾液腺のマッサージを行なうのも効果的です。 お口の粘つきが治らないときは、歯科医院で唾液分泌量の検査をして、人工唾液や保湿ジェルなどを用いる治療や、唾液分泌促進剤による薬物療法を受けるようにしてください。

●舌苔(ぜったい)

舌苔イラスト舌苔イラスト

  舌苔とは、舌の凹凸に付く苔のようなもので、灰白や黄色がかった色をしています。

舌苔は、細菌の塊で、口臭の原因の約6割を占めるとされています。

【口臭予防のポイント】
一日一回、歯磨きのときに、舌をクリーニングするようにしましょう。
歯ブラシでも舌苔は取れますが、舌専用のブラシを使用すると安心です。
また、舌苔を除去する専用の飴も販売されています。
正しく使えば、口臭予防の効果が期待できます。
注意したいことは、舌を傷つけないようにクリーニングすることです。
かかりつけの歯科医師に相談して、正しい舌磨きの方法を教わるようにしてください。

◆◆◆
※これら四つの点は、互いに悪影響を与えながら、複合して起こることがあります。

資料提供:メディカルライフ教育出版