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 クモ膜下出血


死亡率が非常に高い、脳卒中のひとつ

クモ膜下出血には、決定的な予防法がありません。 脳ドックや脳神経外科を受診して、脳動脈瘤の大きさや位置、数といったことを あらかじめ調べておき、脳動脈瘤破裂リスクに備えることが重要になります。

●健康な人にも起こる

クモ膜下イラスト 脳卒中には、クモ膜下出血のほ かに、脳出血や脳梗塞がありますが、クモ膜下出血には、ほかの二 つと大きく異なる特徴があります。
脳出血、脳梗塞は「動脈硬化 (血管が硬くなることや血管が詰 まること)」が原因で起こるため、 生活習慣と深い関わりがあります。
対して、クモ膜下出血は、脳を覆うクモ膜とよばれる組織の下の 血管にできた「脳動脈瘤が破裂する」ことで起こります。
この脳動脈瘤がなぜ生成されるのか、はっきりした原因は分かっ ていません。
このため健康的な生活を送って いる人でも、脳動脈瘤がある人は、クモ膜下出血を発症する恐れがあります。

●発症したら至急、救急車を

クモ膜下出血を発症すると、クモ膜下腔に血液がたまり、脳を保護している髄膜を刺激します。
このため「金づちで殴られたような」と形容されるほどの激しい 痛みとともに、吐き気や意識障害といった症状が起こります。
こうした症状が起きたときは、すぐに救急車を呼びましょう。
ところで、今までに経験のない ような激しい頭痛が起きたが、短時間で治まったというケースがあります。
これは「警告発作」とよばれるものです。
出血量が比較的少なかったことが考えられますが、重篤なクモ膜下出血が起こる前兆ともいえます。 ただちに、医療機関で検査を受けてください。くも膜下出血イメージイラスト

●破裂リスクをあらかじめ知っておく

 クモ膜下出血に備えるには、「警告発作」を経験したことのある人はもちろん、そうではない人も、まず、脳ドックや脳神経外科を受診して定期的に脳の状態(脳動脈瘤の状態)を確認しておくことが必要です。 

ちなみに、クモ膜下出血につながる恐れのある脳動脈瘤は、40歳以上では5%の人にあるというデ ータがあります。
また、クモ膜下出血は、遺伝との関係が指摘されています。血縁関係のある近親者に、クモ膜下出血を経験した人がいる方は注意が必要です。

●経過観察か手術療法

脳動脈瘤を薬物によって治療す ることは、現在のところできません。
このため、脳動脈瘤が見つかった場合は、瘤の大きさや形の他、 様々な条件によって瘤の破裂リス クが検討されます。
瘤が破裂するリスクが低い場合 は経過観察を続け、破裂リスクが 大きい場合は手術療法が選択され ます。
手術療法には、「開頭クリッピ ング術」と「血管内治療」があります。
前者は、頭蓋骨の一部を外 し、金属製のクリップで脳動脈瘤の根元をはさみ止血を行なうもの。
後者は、股部からカテーテル(細い管)を通し、カテーテルから脳 動脈瘤にプラチナなどのコイルを 詰めて止血します。


生活ほっとニュース 生活ほっとニュース~顕著な大雨に関する気象情報~

日本では水害による被害が、 毎年のように起きています。
近年「避難情報に関するガイ ドライン」が改訂され、「自ら の命は自らが守るという意識を 持って、自らの判断で避難行動をとる」との方針が示されました。
そして避難行動の判断のガイ ドとして、「災害警戒レベル」 がお住いの自治体から出されることになりました(これは、水害以外の災害でも適用されます)。警戒レベル3では、高齢者はすぐに避難を開始することが必要となっています。
警戒レベル4になると、危険な場所からの避難。災害が想定されている区域では、避難に対しての適格な判断が求められます。
警戒レベル5は、災害がすでに発生している恐れが極めて高い状況で発令されます。命の危険が迫っているため、直ちに身の安全を確保してください。水害の危険を知らせる情報としては、大雨特別警報や洪水警報、高潮や土砂崩れに対する警報などがあります。
また警戒レベル4になると、「顕著な大雨に関する気象情報」が出されます。
この情報は、大雨をもたらす「線状降水帯」が 発生すると予測される半日前に 発表されます。
顕著な大雨に関する気象情報 が出されたら、いつでも避難できるように、避難場所や避難経路、互いの連絡方法を改めて確認しておきましょう。

資料提供:メディカルライフ教育出版