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新型コロナ後遺症


新型コロナの症状が長期間続く

 国立国際医療研究センターの調査によると、新型コロナの感染から 1年半後でも4人に1人が後遺症とみられる症状を訴えていることが分かりました。

 【ポイント】

 ①自覚症状がある方は、かかりつけ医に相談するか、対応している医療機関を受診する。 

 ②生活に多大な支障がある場合は、支援制度の活用を。

●新型コロナ後遺症とは

 新型コロナウイルス感染症の後 遺症は、「ウイルスの感染性は消失した」のちに、「ほかの明らかな病気が原因でなく」、症状が持続することや、回復した後に再び 生じる症状のこととされてます。
このことから、後遺症があっても 、誰かにウイルスを感染させてしまう恐れはないことがわかります。
また、新型コロナの後遺症か、それともほかの病気が隠れていないか、医療機関で調べることが症状を受容していくうえで大切になります。

●なぜ起こる? 症状の程度は? どれだけ続ぐ?

新型コロナ後遺症が起こる理由は、いまのところはっきりしていません。 症状の程度はさまざまで、比較 的軽いものから、日常生活や社会生活に支障がでているケースもあ ります。 アメリカで昨年行なわれた調査では、後遺症で仕事ができない人が200~400万人に上るとの 報告がありました。日本でも、後遺症で悩まれる方の報道に接する 機会が増えました。 症状がどれだけの期間に及ぶかは、不明な点が多いのが現状です。WHOでは新型コロナ後遺症を、「新型コロナの発症から3か月以内に出た症状が、2か月以上続く」と説明しています。 後遺症の症状の多くは、時間経過とともに改善するとされていますが、1年以上というケースも見られます。

●新型コロナ後遺症の症状。

新型コロナ後遺症の症状は、多岐にわたって報告され、50種類以上になるともいわれています。

 ーー代表的な罹患後症状ーー 

【呼吸器】せき、たん、動悸、胸痛。
【精神面】記憶障害、集中力低下、不眠、うつ。
【全身】倦怠感、関節痛、筋肉痛、庫れ。
【消化器】下痢、腹痛。
そのほかにも、嗅覚障害や味覚 障害、脱毛といったことがあげられています。

●受信はどこに?

新型コロナ後遺症が疑われる場合、まずは、かかりつけ医に相談してください。また病医院によっては、新型コロナ後遺症の相談窓口を独自に設けているところもあります。各自治体では、新型コロナ後遺症に対応している医療機関を、ホームページで公開しているところもあります。

●活用できる支援制度

様々な後遺症先述したように、新型コロナ後遺症で生活に大きな影響を受けている方がいらっしゃいます。そうした方に行なわれる支援があります。【労災保険】正社員や非正規雇用で働く人が 新型コロナ後遺症で労災を申請し た場合は、感染と業務との関連性が認められれば、労災給付の対象となります。労災と認められると、指定された医療機関では 原則として無料で治療を受けられるほか、仕事を休んだ時には1日あたりの 平均賃金の8割が「休業補償」として給付給付されます。【健康保険】 業務外の理由で療養のため労務に服することができない場合には、健康保険制度の被保険者は、要件を満たせば、各保険者から傷病手当金が支給されます。【障害年金】新型コロナ後遺症により、日常 生活が著しい制限を受ける障害が 残る場合などには、一定の保険料 納付要件を満たせば、障害年金の対象となります。

資料提供:メディカルライフ教育出版