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がんはなぜできるの?


がんはなぜできるの?イラスト

 私たちの命を脅かす病気のひとつ、
「がん」。
一体なぜ、がんはできるのでしょうか?
多くの研究が進むなかで、がんはDNA(遺伝子)の損傷がきっかけであることがわかってきました。
この記事では、がんができるメカニズムや、その原因、予防や早期発見のために私たちができることを、わかりやすく解説します。


●DNA(遺伝子)が損傷する原因

DNA(遺伝子)の損傷は、なぜ起こるのでしょうか?
DNA(遺伝子)は、細胞が分裂・増殖するたび、なんどもコピーされていきます。
しかし繰り返しコピーされてるうちに、そこにエラーが生じることがあります。
これが、DNA(遺伝子)が損傷するひとつの原因です。
そのほかにも、DNA(遺伝子)を傷つける原因がいくつかあります。
代表的なものとしては、 

○活性酸素 体内に生じる、細胞などを酸化させる酸素によって、DNA(遺伝子)が損傷される。

 〇発がん性物質 さまざまな化学物質がこれに該当し、体内に取り込むことで、DNA(遺伝子)を損傷させるリスクとなる。

 〇紫外線を浴びる 

〇放射線被曝 

〇ウイルス感染

●DNA(遺伝子)の突然変異

  DNA(遺伝子)が損傷したとき、細胞は、それを修復して元に戻そうとします。
しかし、なかには修復が不可能なケースや、間違った修復が行なわれることもあります。
このとき、DNA(遺伝子)の遺伝情報が変化して、突然変異が起こります。
問題は、「細胞の分裂や増殖を制御するDNA(遺伝士子)」が変異して、がん細胞になったときです。
結果として、がん細胞は際限なく増殖して腫瘍となり、やがて身体の組織に入り込んで(浸潤)、それを破壊してそれを破壊してゆきます。

●がんを予防するために

 DNA(遺伝子)に損傷を与える活性酸素を減らすには、紫外線を避ける、ビタミンやポリフェノールを含む抗酸化作用のある食品の摂取、ストレスの軽減、アルコールを控えることなどがあげられます。
また、たばこには70種類を超える発がん性物質が含まれています。
禁煙は、がん予防には欠かせません。
遺伝子変異で増殖能力が高まった細胞は、日々、私たちの身体の中に発生していますが、Tリンパ球、NK細胞、樹状細胞などの免疫細胞の働きにより排除され、増殖が抑えられています。
バランスンの取れた食事、腸内環境を整える、適度な運動、睡眠、ストレス解消といった生活習慣の見直しが、免疫細胞を増やし活性化することにつながります。

●早期発見の重要性

がんはなぜできるの?生活習慣改善法 イラスト

  DNA(遺伝子)の損傷は、コピーミスをはじめとして、すべてを防ぐことは困難です。
そしてがん化した細胞は、正常な細胞を装って免疫細胞から逃れたり、免疫抑制細胞を増やすことで免疫細胞の攻撃を回避する性質があります。
予防だけでがんを防ぐことは、難しいと言わざるを得ません。
ではどうすればよいかというと、定期的にがん検診を受けることが必要になります。
大腸がんと肺がんの検診は1年に一回。乳がんと子宮頸がん、胃がんの検診は2年に一回が推奨されています。
これはがんの種類によって、がんが発見可能な大きさになるまでのスピードが違うためです。
がんを早期発見できれば、5年生存率は大きく上昇します。
がん検診は、医療機関や、お住まいの市区町村で実施している住民検診、職場検診、人間ドックなどで受けられます。
がんは、予防と定期的ながん検診で、そのリスクを大幅に減らすことができます。

資料提供:メディカルライフ教育出版