
日本では、成人の3人に1人が不眠に悩んでいるという調査結果があります。
さらに、その中の約10%は、慢性の不眠症であるともいわれています。
不眠では、入眠障害・中途覚醒・早期覚醒・熟眠障害といった状態がよく見られます。
睡眠の悩みを抱えておられる方は、まず最初に、
「アテネ不眠尺度」でセルフチェックしてみましょう。
●アテネ不眠尺度によるセルフチェック
WHO(世界保健機関)が中心となって設立された「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」からは、「アテネ不眠尺度(AIS)」という、不眠症かどうかをセルフチェックできる判定法が提供されています。
8つの質問から、「過去1か月間に、少なくとも週3回以上経験した」ものにあてはまる点数に○をつけてみましょう。
合計点数が、6点以上だと不眠症が疑われます。
Q1 入眠障害(布団にはいってから眠るまでの時間)
3点-非常に時間がかかる
2点-かなり時間がかかる
1点-少し時間がかかる
0点-寝つきはよい
Q2 中途覚醒(途中で目が覚める)
3点-深刻な状態
2点-かなり困っている
1点-少し困っている
0点-問題になるほどではない
Q3 早朝覚醒(2時間以上早ぐ目覚め、その後、眠れない)
3点-非常に早かった
2点-かなり早かった
1点-少し早かった
0点-そのようなことはなかった
Q4 睡眠の量
3点-まったく足リていない
2点-かなり足りない
1点-少し足りない
0点-十分である
Q5 睡眠の質
3点-非常に不満
2点-かなり不満
1点-少し不満
0点-満足している
Q6 日中の気分
3点-非常にめいる
2点-かなりめいる
1点-少しめいる
0点-普段通り
Q7 日中の活動量
3点-非常に低下した
2点-かなり低下した
1点-少し低下した
0点-普段通り
Q8 日中の眠気
3点-激しい
2点-かなりある
1点-少しある
0点-まったくない
<不眠症の判定>
6点以上-不眠症の疑いがある
5~4点-不眠症の疑が少しある
3点以下-不眠症の心配なし
●睡眠のリズムを整える
不眠になる原因としては、睡眠のリズムの乱れ、ストレス、うつ病やなんらかの病気、パソコンやスマホのブルーライト、過度な飲酒など、さまざまなことが考えられます。
睡眠の悩みを解消するためのセルフケアの方法としては、まずは睡眠のリズムを整えることが大切になります。
起床時に太陽の光を浴びることで体内時計はリセットされ、睡眠を促すホルモン(セロトニン)が約13~14時間後に分泌されます。
日々、このリズムが一定になるように心掛けましょう。
●寝つけないときのセルフケア
なかなか寝つけないことで、悩んでおられる方もいらっしやいます。
こうした場合は、ベッドで仰向けになった状態で、腹式呼吸をしてみましょう。
そして、顔から腕、腹部、脚と、順番に身体の各部をリラックスさせてください。
このときある種の瞑想状態が起きて、入眠へと誘われやすくなります。
それでも寝つけないときは、いったん起きて、
寝室以外の部屋に移動するという方法もあります。
簡単なストレッチや瞑想、読書などでリラックスして、やがて眠気を感じたら、
寝室に戻るようにしましょう。
ここでは、悩みや考えごとはベッドに持ち込まないことが重要なポイントになります。
●不眠がうつ痍の発症・悪化要因に
不眠とそれによる心身の不調が週に3日以上あり、それが3か月以上続く場合は「慢性不眠症」の恐れが高くなります。
慢性不眠症では、心身にはさまざまなトラブルが生じます。
日中の眠気、疲れがとれない、集中力や意欲の低下、頭痛やめまい----こうした症状がつづくと、
うつ病を発症させるリスクとなります。
不眠とうつ病は、互いが悪化要因となっているので注意が必要です。
●セルフケアで改善されないときは医療機関で相談を
不眠に悩んでおられる方はかかりつけ医に相談するか、精神科、心療内科、睡眠外来などを早めに受診してください。
不眠の治療では、生活習慣や認知行動療法よって不眠を改善する治療や、睡眠薬、抗不安薬、
抗うつ薬などによる薬物療法が行なわれます。
現在使用されている睡眠薬は、医師の指示に従って適切に服用すれば、安全性は非常に高くなっています。
また不眠の原因が、睡眠時無呼吸症候群やなんらかの病気によるものである場合は、
先にこれらを治療することが不眠症状の改善につながります。
資料提供:メディカルライフ教育出版