
さまざまな原因によって起こる
大人の喘息の発症の背景には、アレルギー以外にも多様な要因が関わるため、完治が難しいケースも少なくありません。
気道の炎症を抑え、喘息発作を予防しながら、症状をコントロールしていくことが大切になります。
●喘息とはどのような病気?
喘息は、慢性的な炎症が気道に起こり、気道が狭く、敏感になることで発症します。
せきが止まらなくなる、せきとともに透明~白色の痰がでる、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューとい う呼吸音)がする、胸が圧迫される、呼吸が苦しいこれらが突然に生じます(喘息発作)。 喘息発作は、日常生活に支障がない軽症の状態から、重症化して生命に関わるケースもあります。
●大人の喘息はなぜ起こる?
0~15歳で起こる子どもの喘息(小児喘息)の原因の多くは、ダニや(ハウスダスト、花粉などによるアレルギーが原因(アレルギー性喘息)となっています。
一方、大人の喘息ではアレルギーによるものが約6割を占めますが、それ以外の原因も多くあり (非アレルギー性喘息)、さまざまなことが関係しています。
かぜやインフルエンザなどの感染症、冷たい空気、季節の変化、匂い、ストレス、肥満、喫煙習慣、ストレス、逆流性食道炎、職業的に化学物質を扱っているなどです。
こうした要因が気道に炎症を起こしたり、慢性化することで、喘息が長引く原因となります。
●大人の喘息が治りにくい理由は?
小児喘息を患う子どもの約7割は、中学生くらいまでに症状が落ち着きます。
一方、大人の喘息は、完治が難しいことが知られています。
理由のひとつは、先にあげた複数の発症原因が、さらに混在するケースもあるため、原因を取り除くことが困難なためです。
そして、気道(気管支)に起こる「リモデリング」も関係しています。
気管支の炎症が慢性化すると、リモデリングによって粘膜の繊維化(厚く・硬くなる)が進行して、空気の通り道が狭くなります。
●継続的な治療が重要
せき(とくに夜間から早朝)、のどの違和感、息苦しさ、喘鳴などを自覚している方は、かかりつ けの医師に相談するか、呼吸器内科やアレルギー科を早めに受診してください。
大人の喘息は、適切な治療を継続的に受けることで、症状をコントロールしていく必要があります。
喘息と診断されたときに、現在、もっとも多く使用されている薬が、「吸入ステロイド薬」です。
気道の炎症を抑え、喘息発作を予防する働きがあります。
この薬は、「長期管理薬(コントローラー)」に分類されてて、毎日、服用する必要があります。 気管支拡張薬や抗アレルギー薬などを併用することもあります。
● 喘息発作が起きたときの対応は?
喘息発作が起きたときは、気管支を素早く広げて症状を緩和する「発作治療薬(リリーバー)」を使用します。
発作治療薬は即効性があり、5~15分ほどで呼吸が楽になります。
しかし、発作治療薬を使用しても効果が現われないときや、
「座っていないと息ができない(横に なると息苦しい)」
「会話ができない」
「意識がはっきりしない」
「唇や爪の色が白っぽい(あるいは紫色)」
こうした症状があるときは、迷わず救急車を呼んでください。
※発作治療薬には気道の炎症を抑える効果はないため、長期管理薬と併用していく必要があります。
☆ 大人の喘息と症状が似ている病気 ☆
○せき喘息
せき症状が長引く点は、似ています。
一方、せき喘息では、喘鳴や呼吸困難といった症 状は起こりません。
せき喘息は、放置していると約3割の人が喘息に移行するといわれて います。
早目の受診が必要です。
○感染後咳嗽(かんせんごがいそう)
かぜやインフルエンザなどのウイルス感染をきっかけとして、せき症状が長く続きます。
○百日咳(ひゃくにちせき)
激しいせきが1か月以上続きます。
細菌感染が原因なので、抗菌薬で治療します。
○COPD(慢性閉塞性肺疾患)
せきや痰、息苦しさが続くところは喘息に似ています。
おもな原因は喫煙で、気道が狭 くなるだけでなく、肺組織に炎症・破壊が起こります。
資料提供:メディカルライフ教育出版