~視神経と水晶体----2つの目の病気を正しく理解する~
緑内障と白内障はともに目の疾患で病名も似ていますが、発症箇所や原因、ものの見え方、治療法に至るまで、まったく異なる病気です。
2つの違いを理解しておくことは、早期発見・治療のための重要なポイントになります。

緑内障と白内障では、目の病気として、発症する箇所や原因が違います。
【発症箇所】
○緑内障「視神経」=目に入ってきた光は、網膜の最深部で電気信号に変換される。この電気信号を脳に伝達するための神経繊維の束のこと。
○白内障「水晶体」=目に入ってきた光を屈折させ、焦点を合わせて網膜に映す役割をする。
【発症原因】
○緑内障「視神経への障害」=眼圧(眼球の内部の房水による圧力)の上昇によって起こる。
【注意】眼圧が正常範囲内にもかかわらず、視神経の障害によって緑内障を発症するケースもある(正常眼圧緑内障)。
○白内障「水晶体の濁り」=水晶体に含まれるタンパク質の酸化・変性による。
緑内障と白内障では、ものの見え方に違いがあります。
○緑内障「視野が狭くなる」=視神経の障害によって視野の一部が欠けている状態が起こり、やがて見えない範囲が広がっていく。視野の欠けた部分は、ぼやけたり、霧がかかったようになる。
○白内障「視界全体が白くかすむ」=水晶体の濁りによってものの見え方が、白くかすんだようになる。見え方には、「黄色(茶色)ぽく見える」「光がまぶしい」「二重に見える」といったこともあげられている。
緑内障と白内障では、失明に至るリスクに差があります。
○緑内障「リスク高」=失明原因の一位となっている。眼圧の高い状態を放置すると視神経の障害が進行し、数年から数十年かけて(慢性型)、あるいは一日から数日(急性型)で、失明してしまう。
○白内障「リスク低」=白内障だけて失明するケースは少ない。 ただ、放置していると水晶体が膨張して房水の循環を阻害し、眼圧が高まることで緑内障を合併することがある。
緑内障と白内障では、治療の目的や方法に違いがあります。
○緑内障「進行を遅らせる」=障害された視神経は、治療によって回復させることはできない。
このため、点眼薬や手術療法によって眼圧の上昇を抑え、視神経の機能を維持することで、病気の進行を遅らせる。
○白内障「完治を目指す」=濁った水晶体を取り除いて、人工レンズに置き換える手術療法によって完治を目指す。
手術は痛みも少なく、5~10分程度と短時間で終わる。
緑内障と白内障の違いを見てきましたが、このふたつの病気には、共通する注意点があります。
☆このふたつの病気に対しては、早期発見・治療がもっとも大切です。
☆また、加齢が影響しているため40歳代以降、発症・進行リスクが高まります。
これらのことから、40歳を超えたら眼科で一年に一回の定期検診を受けること。
見え方に違和感を覚えたら、すぐに眼科を受診して相談することが、視力を守るために、なにより重要な防御策となります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS))は、睡眠中に10秒以上の呼吸停止が、一日(7時間睡眠)に30回以上起きる病気です。
大きな音とともに途中で止まるイビキを繰り返し、日中の強い眠気・倦怠感などを引き起こします。
SASは脳梗塞や脳出血など重篤な病気の発症につながるだけでなく、失明につなりかねない、緑内障の危険因子のひとつ でもあります。
SASによる緑内障の発症リスクは、健康な人に比べて1.4倍から、(北海道大学の研究グループによると)10倍も高いとされ、とくに、「正常眼圧緑内障」との関係が指摘されています。
その原因としては、睡眠時の低酸素状態による視神経へのダメージや、血流障害などがあげられています。
SASが疑われる方は、かかりつけ医に相談するか、呼吸器内科や耳鼻咽喉科、睡眠外来を受診してください。
SASSが軽度であれば、生活習慣の改善や、専用のマウスピースを使用することで症状の緩和が見込めます。
中等度や重度のケースでは、CAPA(装着したマスクに空気を送り、気道を広げて無呼吸を防止する機械)による治療が効果的です。
そしてSASの治療とともに、眼科を受診して緑内障の検査を受け、早目に対策することが必須になります。
資料提供:メディカルライフ教育出版