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早期発見で死亡リスクを大幅に下げられる前立腺がん


前立腺がん イラスト1

●前立腺がんは予防が難しい

前立腺は、精子と卵子の受精を助ける働きをする前立腺液を分泌する器官です。前立腺は男性の生殖器官にのみ存在します。この前立腺に「悪性の腫瘍」ができた状態が、前立腺がんです。前立腺がんの原因としては、欧米で患者数が多いことから、食生活の変化(動物性たんぱく質の摂取量の増加)があげられています。ただ、そのほかにも男性ホルモンのバランスの変化も関係しているのではと考えられており、原因は完全にはわかっていません。このため予防は難しいがんとなっています。

●発見の遅れが死亡リスクに

   前立腺がんの初期段階では自覚 症状に乏しいため、がんが大きく なって尿道を圧迫し、排尿に障害 が起きてから異変に気づくケース があります。 また、がんが尿道や膀胱に転移 すると、血尿や尿失禁(自分の意 思とは関係なく尿が漏れる)とい ったことが起こります。 さらにがんがほかの箇所に転移 して、腰や下肢に激しい痛みが生 じるようになってから受診するケースも見られます。 こうしたことが、前立腺がんの 死亡者数増加の一因になっています。

●早期発見のためにPSA検査を

  前立腺がんは、早期発見できれば高い確率で寛解(完治とはいえないが、病状が治まった状態)が可能になっています。前立腺がんを早期発見するためには、「PSA検査」を受けることがもっとも有効な方法です。PSA(前立腺特異抗原)は、前立腺からのみ分泌される糖たんぱくのことです。前立腺になんらかのトラブルがあると血液中にPSAが増加するため、PSA値を調べることで、前立腺に生じたがんや前立腺肥大症などの発見を行ないます。PSA検査はスクリーニング検査とよばれるもので、少量の血液を採取する血液検査によって行なわれます。PSA検査の成果に関する報告も行なわれていて、例えば、オーストリアではPSA検査が開始されてから約20年で前立腺がんによる死亡率が60%以上の低下。アメリカでは40%近い低下が報告されています。

前立腺がん イラスト2
●PSA検査を受けるには

 前立腺がんは、40歳代までは発症する人が少ないのに対して、50歳を超える頃から患者数が急増し、さらに年齢を重ねるごとにその数は増えていきます。
この点を踏まえてPSA検査は、50歳を過ぎたら年に一回、定期的に受けるようにしましょう。

PSA検査は、健康診断に取り入れている自治体や健康保険組合が増えています。とはいえ、すべての健康診断でPSA検査が行なわれているわけではありません。
その場合、PSA検査は多くの医療機関で行なわれているので、かかりつけ医のいる方は、その病医院で相談してください。
また、前立腺がんの不安がある方は、泌尿器科を受診するようにしましょう。


生活ほっとニュース 生活ほっとニュース~便秘薬~

 便秘お通じでお悩みの方で、便秘薬を使用されている方には注意点があります。それは、胃腸薬との飲み合わせです。 便秘薬には、ビサコジルという成分が含まれている製品が多 くあります。これは、大腸が中性の状態にあることに着目し、薬が中性の環境でよく溶けるように作られています。そして胃腸薬には、胃酸(酸性)の働きを抑える成分が含まれていて、胃を中性寄りにします。このため便秘薬と胃腸薬をいっしょに飲むと、便秘薬が胃で溶けやすいといったことが起こり得ます。 これによって、便秘薬の効果が十分に得られないだけでなく、 胃の痛みや吐き気を引き起こす 原因にもなります。 胃酸の働きが抑えられ中性寄 りになった胃と、ビサコジルを 含んだ便秘薬との関係は、食事 や乳製品でも同じことが起こり ます。 食事したばかりの胃は、胃酸 が薄まった状態になります。ま た、乳製品には胃酸の分泌を抑える働きがあります。 便秘薬を使用するときは、胃腸薬、食物、乳製品の摂取の前後1時間以上は間隔を開けるか、就寝前の空腹時に服用してください。

資料提供:メディカルライフ教育出版