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特定保健指導 ~ 生活習慣の改善に


メタボリックシンドローム対策として行なわれる、「特定健診」と「特定保健指導」。 `S° 生活習慣を改善することで、重篤な病気になるリスクを減らすことを目的としています。

イラスト●メタボが病気の引き金に

内臓脂肪型肥満(腹囲が男性85m・女性90m以上、腹囲が男性85m・女性90m未満でもBMIが25以上)、さらに血圧・血糖・脂 質の3つのうち2つ以上が基準値から外れた状態が、メタボリックシンドローム(以下メタボ)です。 メタボの状態を放置していると動脈硬化が進行する恐れがあります。メタボでない人に比べて、2型糖尿病になるリスクや、心血管疾患により死亡するリスクが倍以上になるとされています。 またメタボは、非アルコール性脂肪肝、高尿酸血症、腎臓病、睡眠時無呼吸症候群といった、さまざまな病気を引き起こす原因にもなります。

●メタボを調べる健診

2008年から、40~74歳の方を対象に、特定健診(特定健康診査)が行なわれています。 特定健診には、メタボを発見する目的があります。このため特定健診では、腹囲、血糖値、コレステロール値、血圧が測定されます。 国民皆保険制度によって日本では、国民健康保険、社会保険、共済保険のいずれかに加入することになっています。 特定健診の案内は、ご自身が加入している保険を運営している団体から届きます。ちなみに会社員や公務員で対象年齢の方は、一年に一回行なわれる健康診断が、特定健診を兼ねています。

イラスト●特定保健指導の対象は?

 特定健診の結果、メタボあるいはメタボ予備軍が疑われる方には、「特定保健指導」を受けるための案内状が送られてきます。 

特定保健指導は、メタボの解消を目的とした、自主的な生活習慣の改善を支援するために行なわれます。 対象者は40~74歳の方で、具体的には下の表の項目に当てはまる方となります

(血糖・脂質・血圧のうち一つでも服薬中の方は、保険組合からの特定保健指導は対象外となります)。

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~対象者 40~74歳の方で、具体的表~

◆内臓脂肪型肥満
①男性85cm以上、女性90cm以上。
②男性85cm未満、女性90cm未満だが、BMIが25以上。

 ◆リスク
(1)血糖 空腹時血糖値100mg/d4?以上、またはHbAlc 5.6%(NGSP値)以上
(2)脂質 中性脂肪150mg/dl?以上、またはHDLコレステロール40mg/d£未満
(3)血圧 収縮期血圧130mmHg以上、または拡張期血圧85mmHg以上
(4)喫煙歴(1)~(3)が1つでもある場合はリスクとして追加。
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イラスト●動機づけ支援と積極的支援

 特定保健指導は、表の項目を使って2つのレベルに分けて支援が行なわれます。
◆動機づけ支援レベル 内臓脂肪型肥満①十リスクが1つ。内蔵型脂肪肥満②十リスクが1~2つ。 医師や保健上、栄養管理士などとの個別面接または、グループ支援を原則1回行なう。生活習慣を振り返り、行動目標を立て、その生活が自分で継続できることを目指した支援。 3か月後、生活習慣改善状況、体重、腹囲などを確認し、評価が行なわれる。
◆積極的支援レベル 内臓脂肪型肥満①十リスクが2つ以上。内蔵型脂肪肥満②十リスクが3つ以上。 動機づけ支援に加え、医師や保健士、栄養管理士などにより3か月以上の定期的・継続的な支援が行なわれる。 

◆◆◆ 動機づけ支援と積極的支援では、面談を受けて生活習慣の改善計画を立てたのち、自分ひとりで実行する(動機づけ支援)か、専門家のアドバイスを取り入れながら実行していく(積極的支援)という点に違いがあります。

●特定保健指導の効果は?

特定保健指導の効果は、目標に対して、その方がどのように取り組んだかに左右されます。 とはいえ、特定保健指導を受けた人とそうでない人を長期間に渡って調べた調査によると、体重の減少や医療費の抑制に有意な違いが見られました。 専門家の意見を取り入れながら、生活習慣の改善を行なう---このことは、健康的に暮らしていくための、大きな支えとなるでしょう。

資料提供:メディカルライフ教育出版