春になって暖かくなってきたので、健康維持のため、なにか運動を始めたい---手軽にできるウォーキングは、そうした方にとくにお勧めです。
●気軽に始められるウォーキング
ウォーキングは、有酸素運動に分類されています。 運動時には筋肉を動かします。このとき体内に酸素を取り入れながら、ある程度時間をかけ、筋肉を使うのが有酸素運動です。 有酸素運動には、ウォーキングのほか、ジョギングやエアロビクス、水泳、サイクリングなどがあります。そのなかでもウォーキングは、場所を選ばず、特別な機材を必要としないので、もっとも手軽に始めることができます。 服装やシューズも決まりはありません。ただ、服は吸汗性がよいものを。靴は靴底のクッション性の高いスポーツシューズが勧められています。
●歩行や散歩との違い
ウォーキングは「歩くこと」によって行われますが、通常の歩行や散歩とは違うのでしょうか?もっとも大きな違いは、ウォーキングにはフォームがあることです。さらに早歩を取り入れ、ある程度のスピードを出して歩くことで効果が高まります。
★ウォーキングのフォーム ウォーキングをするときの姿勢は、まず、肩の力を抜いて背筋を伸ばし、胸を張るようにしてください。顎を軽く引いて、視線は遠くを見るように意識します。 軽くこぶしを握り、両肘を 約90度に曲げます。歩きだしたら、しっかり腕を前後に振るようにしましょう。腕を後ろに大きく引くイメージで振るとよいでしょう。 ウォーキングの足の運び方は、かかとから着地し、足の 指で踏み出すのが基本になります。
★ウォーキングのスピード ウォーキングは、歩行や散歩時よりも、早めに歩くことを意識して行ないます。足でしっかりと地面を蹴り、大股気味に歩くことで、自然と早くなります。とはいえ、ウォーキングで推奨される速度は、時速4にkm前後とされています。これは、「ウォーキングをしながら会話ができる」程度の速度です。
●理想的な距離は?
ウォーキングは、どのぐらいの距離を歩けばよいのでしようか。最初のうちは、1回につき10~15分程度のウォーキングがよいとされています。時速4kmで歩いたとして、1km程度の距離になります。これを一日に2回行なうのが、理想的です。
●ウォーキングの効果
1回20分以上のウォーキングを継続的に行なうことで、脂肪が燃焼され、筋肉の維持・増加が期待できます。これらは、肥満予防につながります。 ウォーキングのように「一定の動作を繰り返し行なう運動」は、自律神経(交感神経と副交感神経)の働きに、よい影響を与えることが知られています。ウォーキングをしていると、「心地よい」という感覚になります。これは、脳内に(幸せホルモンとも呼ばれる)セロトニンが分泌されるからです。このためウォーキングは、ストレス対策としても有効です。
●ウォーキングの注意点
ウォーキングを始めるにあたって、持病のある方や、現在治療中の病気がある方は、医師に相談してからにしてください。 ウォーキングを始める方は、最初から無理をしないように しましょう。体調が悪いときは止めるという判断も必要になります。ウォーキングをするときは、最初に軽いストレッチを行なってください。終わったあとのクールダウンも大切です。 ウォーキングでは、汗をかきます。早めの水分補給を心掛けましょう。 有酸素運動は、継続的に行なうことで効果が生まれます。 「心地よい」という感覚を大事にして、楽しみながら行なうようにしましょう。これによって、運動を習慣にすることができます。
資料提供:メディカルライフ教育出版