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脳梗塞はなぜ起こる


脳梗塞はなぜ起こるのか-----そこには「動脈硬化」と「心臓の不整脈」と」いうふたつの要因が関係しています。

動脈硬化に起こる脳梗塞

●ラクナ脳梗塞 ラクナ脳梗塞は、脳の深い部分の細い血管がふさがるタイプの脳す。ちなみにラクナとは、「小さなくぼみ」という意味があります。 ラクナ梗塞では、脳細胞に与えるダメージが小さく、麻庫や言語障害などの症状が現われないことも多いため、「無症候性脳梗塞」とも呼ばれています。 ただ、ここで注意したいことは、ラクナ梗塞が多発して起こるケースです。そうなると認知機能に障害が起こる(血管性認知症)リスクが高くなります。ラクナ梗塞を引き起こす最大の 要因と考えられているのが、「高血圧による動脈硬化」です。血圧の高めの方は、食生活において減塩を心がけるようにしましょう。厚生労働省から出されている「日本人の食事摂取基準」では、男性は1日8g未満、女性は7g未満が目標となっています。すでに高血圧と診断されている場合は、食事指導を守り、血圧を下げる薬(降圧剤)を正しく服用 することが大切です。
●アテローム血栓性脳梗塞 アテローム血栓性脳梗塞は、脳の太い血管内にアテローム(コレステロールなどの固まり)ができて血管が細くなり、血液の流れが悪くなること。さらには、アテロームが破れて血栓ができ、それが血管に詰まってしまうことによって起こります。アテローム血栓性脳梗塞では、脳細胞に与えるダメージが大きいため、麻疹や言語障害、視覚障害といった症状が起こります。また、重い後遺症が残るケースも少なくありません。アテローム血栓性脳梗塞の原因となるのも、動脈硬化です。とくに脂質を摂り過ぎる傾向のある方。過度の飲酒や喫煙を習慣にしている方は、注意が必要です。

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不整脈によって起こる脳梗塞

●心原性脳塞栓症 心原性脳梗塞症は、心臓にできた大きな血栓が、血液によって脳へ運ばれて血管をふさぐタイプの脳梗塞です。心臓で大きな血栓ができる原は、不整脈にあります。不整脈は、脈が速い(あるいは遅い)、不規則、飛ぶといった脈の打ち方に異常が現われることです。脈に異常があると、心臓のなかに血液の固まりが生じやすくなります。 脳梗塞のなかでもっとも症状が重くでるのが、心原性脳塞栓症です。不整脈は、70歳をこえると5~10%の人に起こるといわれています。シルバー世代の方は、日頃から脈拍をチェックするようにしましよう。平常時の脈拍は1分間におよそ60回から80回です。1分間に100回程度までは正常範囲とさていますが、脈拍数がそれより多いい場合や、50回以下など極端に少ない場合は、不整脈と考えられます。

■脳梗塞を予防するには

脳梗塞は、「動脈硬化」と「心臓(不整脈)」に原因があることがわかりました。動脈硬化は生活習慣の改善(減塩、脂肪分を摂り過ぎない、過度の飲酒を慎む、禁煙する)すること で進行を遅らせることができます。すでに血圧や脂質の値が標準より高い方や糖尿病の疑いがある方は、脳梗塞のリスクを減らすためにも早めの対応が必要です。不整脈の治療としては、薬物療法や心臓ペースメーカーを使う方法があります。不整脈の疑いのある方は、かかりつけ医に相談しましよう。

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脳梗塞を発症むたら

 脳梗塞を発症したときは、「治療開始までの時間」が非常に重要になります。脳梗塞による脳細胞の壊死は、時間とともに進んで行きます。そして、脳細胞の壊死が進むほど、重い障害が残る危険性は高くなります。早く治療を行なえば、こうしたリスクの軽減につながります。脳梗塞の治療に効果的とされる、血液の固まりを薬で溶かす治療法(経静脈血栓溶解療法)や、カテーテルで血管内の血の固まりを取り除く(血栓回収療法)治療法には、発症から治療開始までの時間(現在、4・5時間)に制約があることも関係しています。治療開始までの時間を短縮するには、まず、脳梗塞発症時の代表的な症状を知っておく必要があります。脳梗塞のサインとなる症状は、次の三つです。| 「体の片側(腕や脚)の麻痺」 「顔のゆがみ」 「言語障害や失語障害」 これらの症状のうちどれか一つでも起きたときは(症状が軽くても)迷わず救急車を呼んでください。

資料提供:メディカルライフ教育出版