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うっ血性心不全~慢性的な息切れやむくみを放置していませんか?


心臓の機能低下によって血液循環が阻害されると、身体の様々な臓器や組織にうっ血 が起こります。肺のうっ血による、息切れ。手足のうっ血による、むくみ。身体に起 こる異変の原因が、心臓にあるとしたら・・・。今回のメディカルプロファイリングは、 うっ血性心不全についてです。

●うっ血性心不全とは

「心不全」という言葉をよく目にされると思います。心不全というのは病名ではなく、心臓の機能がうまく働かず、血液循環が滞ってしまう状態のことを言います。 心不全は、狭心症や心筋梗塞といった心臓の病気だけでなく、高血圧や腎臓病、ウイルス感染症といった病気によっても引き起こされます。また、過度のアルコール摂取や薬物依存が心不全の原因となることもあります。うっ血性心不全は、心不全によって、臓器や血管に「うっ血(血 液の流れが悪くなり、滞ってしまうこと)」が起こっている病態です。よくある症状としては、息切れ(呼吸困難)、激しいせき、胸の痛み、手足のむくみ(浮腫)、倦怠感、夜間の頻尿といったことがあげられます。

●うつ血性心不全の重症度

うっ血性心不全の重症度は、4段階に分類されています。うっ血性心不全になると、比較的症状の軽いII度から、身体活動の制限が必要になります。
I度 身体活動に制限はない(日常的な身体活動では、著しい 疲労、動悸、呼吸困難、狭心 痛を生じない)。
II度 軽度ないし中等度の身体活動の制限がある(日常的な身体活動で疲労、動悸、呼吸困難、 狭心痛を生じる)。安静時には無症状。
Ⅲ度 高度な身体活動の制限がある(通常以下の身体活動で疲労、 動悸、呼吸困難、狭心痛を生じる)。安静時には無症状。
Ⅳ度 いかなる身体活動も制限される(安静時にも心不全症状や狭心痛があり、わずかな活動で も症状が悪化する)。

うっ血性心不全 イラスト
●うっ血性心不全の検査と治療

うっ血性心不全の検査には、血液検査、胸部レントゲン検査、心電図、心エコー検査などがあります。そして、さらに詳細な検査が必要な場合には、心臓カテーテル検査が行なわれます。心臓カテーテル検査は、カテーテル(医療用の細い管)を手首から挿入して心臓を調べる検査方法です。うっ血性心不全の治療では食事療法のほかに、血管を拡張して血 圧を下げて心臓の負担を軽くする薬や、心筋の伸縮力を増す薬、体内の水分量を減らすために利尿剤を使う薬物療法が行なわれます。こうした治療で十分な効果が得られない時、条件が整えば人工心肺装置を使用して血液を体外循環させる治療法や、人工心臓を使用する方法、心臓移植といった治療法が検討されます。

●慢性的な息切れや足のむくみを軽視しない

うっ血性心不全は、症状が急激 に悪化する場合もありますが、慢 性的な症状が次第に悪化すること で重症化してしまうケースが多く 見られます。 慢性的な息切れや足のむくみと いった症状を軽視しないようにし ましょう。これらは、うっ血性心 不全のみならず、心臓の病気では 非常によく見られる初期症状とな っています。 超高齢化社会を迎えた日本では、 高齢者世代のうっ血性心不全患者 が増えています。気になる症状が ある方は、症状が悪化するまえに、 かかりつけの医師や専門医に相談 することをお勧めします。

【生活ほっとニュース~心臓病と新型コロナウイルス感染症】

うっ血性心不全をはじめ、心臓に病気のある方には、専門の 医師から、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクヘの注意が強く呼びかけられています。 新型コロナウイルスは、直接心臓を侵す可能性も否定されていません。 また、新型コロナウイルスが肺の奥深くに感染すると、重篤な肺炎を引き起こします。肺炎 になった肺は、呼吸によって取り込んだ酸素を血液へ十分に送ることができなくなります(低 酸素血症)。 このとき心臓は、酸素供給を補なうために、普段よりさらに働きを活発にしなければなりません。これが、病気によって弱っている心臓に大きな負担となり、心臓を致命的なまでに弱らせる原因となります。心臓に病気がある方は、新型コロナウイルス感染症対策を、 よりしっかりと行なっていく必要があります。マスクの着用と手洗い・消毒の徹底。不要不急の外出を控え、密閉、密集、密接(三密)を避けるI-―-こうした一般的な予防法のほかにも、心臓病の方には注意して欲しいことがあります。それは、肥満です。新型コロナウイルス感染症の拡大以降、体重が増加したという人は6割に上っています。外出の自粛や在宅ワークの広がりといったことが原因と考えられますが、心臓病にとって肥満は大きな悪化要因です。食事には十分に注意して、運動指導を受けている方は、しっかりと運動メニューをこなすようにしましょう。

資料提供:メディカルライフ教育出版