睡眠時無呼吸症候群の場合、睡眠時の気道(空気の通り道)が狭くなるので、身体はより強い力で息を吸い込みます。このとき、鼻や喉が激しく振動して、大きないびきとなります。 もし、いびきが大きいという方がご家族のなかにいらしたら、睡眠時に呼吸が止まっていないか注意してください。 睡眠時無呼吸症候群は、生活の質を低下させるだけでなく、高血圧や糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞といった病気の発症・悪化リスクでもあります。
睡眠の質が大幅に低下
「7時間の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上」、あるいは「1時間あたり5回以上の無呼吸」だと、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。 実際の睡眠時無呼吸症候群では、1分間以上の無呼吸を200~300回以上繰り返すケースも珍しくなく、決して軽視できない病気です。 睡眠侍無呼吸症候群は、寝ているときに起こるので、病気そのものに自覚症状を覚えることはありません。 ただこのとき、寝ている本人は気づいてなくても、無呼吸による生命の危機を回避するために、脳は何度も覚醒します。そして脳は、呼吸を再開するように身体に緊急信号を送ります。 こうしたことから、睡眠時無呼吸症候群の方は、夜間の眠りが非常に浅くなります。
なぜ、無呼吸状態になるのか?
無呼吸状態は、気管の入り口を舌が塞いでしまうことで起こります。とくに仰向けで寝ると、舌の根元が喉のほうへ落ちやすくなり ます。 しかし普通は、呼吸に影響を及ぼすほど舌が喉に落ちるということはありません。 睡眠時無呼吸症候群の患者には、肥満によって喉に脂肪が付きすぎているケースや、もともと下あごの形状が小さいケースが見られま す。 こうした方の場合、気管の入り口が狭くなってしまい、舌で塞がれることが起こりやすくなります。
睡眠時鏃呼吸症候群か調べる
睡眠時無呼吸症候群かどうかは、簡易検査や精密検査によって調べることができます。 簡易検査では、自宅でも取り扱える検査機器を装着して、普段、寝ている状態のデータを取ります。 皮膚から血液中の酸素結合度を計測したり、いびき音から呼吸の状態を調べる検査が可能です。 簡易検査で睡眠侍無呼吸症候群が疑われるときは、精密検査を行ないます。 精密検査には一晩の入院が必要です。検査では、複数のセンサーを身体に取り付けますが、痛みや苦痛の心配はありません。
睡眠時無呼吸症候群の治療
睡眠時無呼吸症候群の治療には、器具や機器を使って呼吸を楽にする方法が行なわれます。なかでも、睡眠時無呼吸症候群の治療 として現在もっとも普及しているのが「CPAP(シーパップ)療法」です。 CPAP療法は、就寝時に専用のマスクを装着して、装置から送り出される空気を吸入することで呼吸を楽にします。 現在、CPAP治療を受けている人は釣40万人。しかし、治療が必要な状態でありながら治療を受けていない人も、300万にのぼるとされています。大きないびき、起きている間の強い眠気、こうした症状がある場合は、かかりつけの医師に相談して、睡眠外来や呼吸器内科、耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。