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ワクチン接種と経口治療薬


新型コロナの感染・重症化予防のための「3回目のワクチン接種」と、軽症のうちに症状を改善する「経口治療薬」。現在の状況をお伝えします。

●第6波以降の感染状況

オミクロン株による感染拡大が完全には収束していないなか、一部の地域では感染者数が過去最大になるなど、感染者数のリバウンド現象が起きている地域があります。とくに増加しているのが、10~20代の若者で、新規感染者数の約半数を占めています。その一因として、若い年代ではワクチンの3回目の接種率が低いことがあげられています。接種率の年代別データ(東京都)では、70代や80代以上は80%を超えていますが、20代は20%前半、12~19歳は6%程度となっています。

ワクチン接種率の低下 図

●なぜ、3回目の接種は必要?

新型コロナウイルスワクチンはオミクロン株に対して、感染予防や重症化予防について、高い効果を示しています。ただ、ワクチンの効果は、時間の経過にともない低下していくことも分かってきました。ファイザー社のワクチンを接種したときの感染予防効果は、2回目の接種の後1か月では88%ありましたが、6か月後には47%に低下したとの報告があります。発症予防や入院・重症化予防に関しても徐々に低下が見られ、これは、モデルナ社のワクチンでも同様でした。 副反応については、3回目の接種は、2回目のときと同等と報告されています。 こうしたことから、2回目のワクチンの接種を受けて6か月経過した方には、3回目の接種が推奨されています。ワクチン 図

●接種するワクチンの違い

 1・2回目の接種と異なるワクチンを使用することは、「交互接種」と呼ばれています。交互接種においても、十分な予防効果と安全性が認められています。

●新型コロナの軽症用患者の経口治療薬

新型コロナの脅威を低減するためには、軽症のうちに効果的な治療ができる「経口治療薬」の存在が鍵となります。2022年4月現在、日本で承認されているのは、「モルヌピラビル(ラゲブリオ)」と、「ニルマトレルビル/リトナビル(パキロビッドパック)の二種類となっています。これらの薬には、ウイルスの増 殖を抑える効果があり、発症から5日以内の(重症化リスクのある)軽症~中等症の患者を対象にしています。入院・死亡リスクを減らす効果が期待できます。

●経口治療薬の注意点

現在のところ新型コロナの経口治療薬は、十八歳未満の方や、妊娠している女性には投与できないほか、新型コロナ以外の病気のお薬と併用できないケースがあります。また、供給量に課題があるため処方できる医療機関が限られていることに注意する必要があります。

資料提供:メディカルライフ教育出版