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胃がんについて知ろう


早期発見が大きな鍵

胃がんの多くは、ピロリ菌によって引き起こされた萎縮性胃炎が 進行することによって発症します。胃がんは、胃の粘膜に発生します。 胃の粘膜は内側から、「粘膜・粘膜下層・固有筋層・漿膜」という四つの層で構成されていますが、がん細胞が、粘膜下まででとどまっていれば「早期胃がん」、固有筋層を超えているものは「進行胃がん」と分けられています。 早期胃がんか進行胃がんかは、胃がんにとって大きな意味を持ちます。 早期胃がんは進行度合いによって四段階に分けられる胃がんのステージのうち、ステージーに相当し、五年実測生存率(がんの治療を始めた人の中で五年後に生存している人の割合)が90%近くに昇るからです。

胃がんを早期発見するために

胃の粘膜 画像

ここで問題になるのは、早期胃がんは自覚症状に乏しいということです。実際には胃がんになると、胃の不快感や食欲不振といったさまざまな症状が現れます。しかし、こうした症状は日常的に起こる他の胃の不調と区別がつきにくいため、ついつい放置されてしまいがちなのです。そこで胃がんを早期発見するには、定期検診が欠かせなくなります。胃がんはとても早く進行することがあるので、一年に一度は、胃部X線検査を受けるようにしましよう。

胃がんになるりスクを減らす

胃の検査には、バリウムが使われます。もし、どうしてもバリウムが苦手という方は、医師に相談してください。胃の内視鏡検査という選択肢もあります。また、胃部X線検査の代わりとすることはできませんが、ピロリ菌に感染しているかどうかを検査することで、胃がんのリスクを調 べる方法もあります。ピロリ菌の感染が陽性とわかった場合は、除菌によって胃がんになるリスクを減らすことができます。ところで、ピロリ菌の感染についてですが、注目しておきたい点があります。それは、ピロリ菌の感染が、ほぼ幼少期(五歳以下)に起こること、そして感染に衛生環境が大きく影響していることです。 こうしたことから日本では、幼少期を上下水道の衛生環境が十分ではなかった時代をおくった高齢者世代の方のピロリ菌感染率が高くなっています。

胃がんの内視鏡手術

 現在、胃がんの治療には、切開を必要としない「内視鏡手術」も 取り入れられるようになっています。内視鏡手術は、身体への負担が比較的少ない優れた手術法です。ただし、内視鏡手術が可能なのは、早期胃がんでいくつかの条件が満たされている場合に限られます。こうしたことからも、胃がんの早期発見に努めることは非常に大切であるといえるでしょう。

ピロリ菌と生活習慣、ストレス

ピロリ菌の「ピロリ」は、「幽門」を意味する言葉です。ピロリ菌が胃の下部にある幽門に多く存在したことからこうした名前が付けられました。ピロリ菌の発見とその後の研究は、胃の医学にとって非常に重要なものとなりました。胃がんとの関係では、日本で行われたある研究で、1526人の日本人男女を約8年間に渡って追跡調査した結果、ピロリ菌感染者のグループからは36名の胃がん患者が出たのに対して、ピロリ菌に感染してない大たちのグループにはひとりも胃がん患者がいないとう結果が発表されました。また北海道大学の研究グループからは、ピロリ菌を除菌することで胃がんの発生を抑えられることが報告されました。胃がんは長いこと、生活習慣やストレスにその原因があるとされていました。しかしピロリ菌の研究が進むにつれて、ピロリ菌の感染によって起こった萎縮性胃炎が進行したときに、胃がんの多くは発症することがわかってきています。とはいえ、胃がんの予防に生活習慣やストレス対策の必要がなくなったわけではありません。萎縮性胃炎の発症や進行には、生活習慣やストレスが大きく関わっているからです。この点には十分注意しましょう。

資料提供:メディカルライフ教育出版