毎年流行するインフルエンザ。でも今シーズンはどうなるのだろうと心配されている方もいらっしゃるでしょう。COVID-19(新型コロナウィルス感染症)が流行する中、今年はインフルエンザの予防がとても大切になります。健康に冬を過ごすためにポイントを押さえてしっかり予防しましょう!
●寒さと乾燥が身体の防御力を下げる
COVID-19に対して、皆さ んが日頃行なっている予防法がい くつかあると思います。それらは インフルエンザ予防にも有効です。 それらに加えて、インフルエンザ ウイルスが好む「寒さ」と「乾 燥」への対策も大切になります。普段、白血球などの免疫機構は、 太い血管から毛細血管まで血液に 運ばれることで、細菌やウイルス の侵入を防いでいます。 けれども気温が下がると、身体 は内臓や脳などが必要とする熱 (エネルギー)を確保しようと、 中心部へ熱を集めることを優先し ます。その結果、手や足の末端部 は血行が悪くなって冷えやすくな ります。これは免疫機能が全身に 働きづらい状態といえ、身体を冷 やさないことが重要です。 また、鼻やのどの粘膜の表面に あるじゅうたん状の線毛という組 織は、ウイルスや細菌をからめと って体内に入り込まないよう働い ています。この組織は、適度に潤 っていないと働きが低下してしま うため、こまめな水分補給が大切 になります。
●インフルエンザの予防ポイント
これらのポイントは、インフ ルエンザだけでなく、かぜやCO VID119の予防にもなります。 まず今年の冬は、インフルエン ザの予防接種を。もしインフルエ ンザにかかった時も、重症化を予 防できるので、特に、基礎疾患の ある方、高齢者の方は予防接種を 受けてください。 それから、マスクをしていない 時に咳やくしゃみがでそうになっ’ たら、腕で口元を覆う「咳エチケ ット」で他の人への思いやりも忘 れないようにしましょう。
■室内と、屋外・帰宅時の予防ポイント
<室内>
・部屋や寝室は暖かく。20度以上に。
・湿度は50~60%以上に保つ。
※デジタル表示の温湿度計は文字が見やすく便利。
電気店やホームセンターにあります。
・暖房は室内が乾燥しやすいので、加湿器などで、湿度を保つ。
・口呼吸の人は、寝ている間にのどが乾燥しやすい。苦しくなければ、おやすみマスクなどを利用して乾燥予防を。
・シャワーだけでなく、湯舟にも浸かり身体を温める習慣を。
・栄養のある食事、適度な運動、7時間以上の睡眠を。
<屋外・帰宅時>
・外出時はマスクを着ける。
※体質やその他の事情でマスクを着用できない方もいらつしやいます。
・人の多いところに出かけない。
・出先で手すりやトイレなどを利用した後は、手指をアルコール除菌する。
・3つの首(首・手首・足首)を冷やさないようにする。
・帰宅したら、手洗い(石けんをつけて30秒程度まんべんなく)・うがいを必ずする。
・マスクは捨てるか、洗う。毎日同じものを使い続けない。
●インフルエンザについて
インフルエンザは、かぜより重い症状がでることが特徴です。発
症したら、水分・栄養・休養を充
分とることが大切です。
[潜伏期間]
1~3日程度
「症 状」
発症すると、38度以上
の高熱の後、筋肉痛、倦怠感、頭
痛、咳などの全身症状がでます。
※高齢の方は、熱が上からないこ
ともあります。また、インフルエンザB型は、必ずしも高熱がでな
い場合があります。
[診 断]
発症後、48時間以内に
医療機関を受診し、検査キットで
15分程度で感染の有無がわかります。
[治 療]
インフルエンザの薬と、
その他の症状を緩和する薬が処方されます。
[家での過ごし方]
薬を服用し、
熱で脱水症にならないようこまめに水分補給しながら、安静に過ごしてください。他の人にうつさないよう学校や職場は医師と相談して数日お休みしましょう。
●インフルエンザかもしれないと思ったら
今年はいつもと違う冬になるかもしれません。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の動向がまだ予測がつかないからです。 もし発熱したり、かぜのような症状があって受診を考えた場合は、 まず医療機関に電話をしてください。詳しく症状などをおうかがいさせていただきます。 今冬を元気に過ごすために、是非、しっかり用心・しっかり予防を心がけていただければと思います。
資料提供:メディカルライフ教育出版