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低体温症


みなさんは低体温症をご存じでしようか?何らかの原因で身体が冷えた ために体温が低下し、身体の機能が保てず様々な症状が起こる症候群です。 悪化すると死に繋がることもあるため、日常生活でも注意が必要です

深部体温

例えば、冬、外出をしていると き、手袋をしていなかったら手の 表面は冷たくなります。そして 屋内に入ると、いつの間にか手の表面が温かくなっていることに気づくでしょう。このように身体の表面の温度は、外気温によって左右されます。これを「皮膚体温」といいます。 一方、私たちの身体は冬であろうと夏であろうと同じように機能 しないと日常生活は営めません。 このため、内臓や脳など大切な器官を守るために、身体の中心部の体温は常に一定の温度に保たれています。この体温を「深部体温(しんぶたいおん)」といいます。

低体温症とは

低体温症の症状の進行

いつも体温を測ると35度台。自分は体温が低いと思ってらっしゃる人は結構いらっしゃると思います。けれども低体温症とはそうした平熱の低い方のことではありません。 熱中症の反対とイメージしていただくとわかりやすいと思います。 熱中症は、体内の内臓の熱が上がり過ぎて機能不全となり、最悪の場合死に至ることのある症候群です。低体温症は反対に体温が下がりすぎて、内臓を維持するための 熱=エネルギーが作れない状態になり、機能不全になるものです。 例えば、山で遭難して亡くなり、凍死と表現されることがありますが、それは低体温症による死ということなのです。 もうひとつ、低体温症に陥る例を挙げると、屋外でのスポーツが挙げられます。
①運動中は、激しい動きで身体の熱が上がる。
②深部体温を一定にするために、汗が大量にでる。
③運動を終えてもしばらく汗がひかない。
④汗をふかずにそのまま屋外にいる。
⑤汗で熱がさらにうばわれて体温が下がる。
気温の低い季節だけでなく、風が吹いている場所でも、身体を冷やすため、でた汗によって体温は どんどん奪われていきます。こうした状況下で、低体温症は発症し やすいのです。この例を読むと、登山も、スポーツもしない自分は関係ないと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし実は、低体温症は日常生活でもっとも発症しやすく、発症者数は、熱中症と同じくらい多いのです。

低体温症の症状

低体温症の症状は、図のように進みます。進行が早いため、初期で発症を疑うことが大切です。

日常生活に潜む低体温症

体温が35度以下に低下すると、 低体温症と診断されます。日常生活では、気温の低い日に、充分な 暖かさのない部屋で寝ていたりす ると(長時間身体を動かさない)、 体温が保てなくなり低体温症にな ることがあります。これは高齢の 方が陥りやすいケースです。 また、寒い屋外や風の強い場所 において、長時間居る、泥酔して 寝てしまう、雨や雪に濡れて身体 を冷やしてしまう、路上生活、外 傷を負うことなども低体温症の原因になります。加えて、災害時に も低体温症になりやすくなります。

低体温症の対処と予防

軽度の場合は、暖かい場所に移動し、温かい飲み物や身体のエネルギー源となる甘いものを与え、身体を内外から温めて様子を見ましょう。 軽度以上の場合は、医療的処置が必要になりますので、すぐに救急車をよんでください。 予防は、寒い季節は室内 を暖かく保つこと、外出時 は暖かい服装ででかけるこ とです。また季節を問わず、 スポーツ後は汗をふき、身 体を冷やさないようにしま しよう。登山をする方はい ざという時のことを常に考 え、荷物に防水でフード付 きの上着や、防寒・防風・ 防熱効果のあるサバイバル シート、カイロを入れてお きましょう。これらは、災 害時にも役立ちますので、 非常袋にも準備しておくと よいと思います。


身体の具合が悪いとき、私たちは体温を測ります。これは身体の異常を知るための一番手軽な方法です。測定の際は、できるだけ中心部に近い体温を測れる部位に体温計を使用します。最近は体温計も様々なものがありますが、一般的な電子体温計の場合はワキの下の斜め30度くらいにしっかりと入れ、身体の内部の体温を調べます。耳に入れたり、おでこから少し離して測るタイプは、脳の体温を測定するものです。どのタイプも深部体温を測ることを目的としています。

資料提供:メディカルライフ教育出版